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サラリーマンという生き方(前編)


以前こんなことを呟いたら反響が大きかったので、サラリーマンは如何に生きるべきかについて、改めて筆者の考えをまとめてみたいと思います。



筆者は昔、大手商社に所属していました。商社のような比較的、学閥や出身本部等による選別が少なくフラットに人事評価がなされる組織でも、「結果も出さないクズが偉くなる」というケースは至る所で目撃されました。


当時は運良く若くして異例の抜擢をされていて、若気の至りから結果を出すことには一端の自信もあったため、ゴマすり出世マシーン共を心底軽蔑していたのを覚えています。しかし逆に言えば、大企業の力学においては、結果を出せば確実に社長になれるわけではないこと、そして、あと20年程度も順番待ちをしなければならないこと、の2点を思うと、このキャリアは相当に不確実性が高いかもしれないと思い始め、商社を辞めてかねてから憧れもあったPE投資の門を叩いた次第です。


余談ですが、サラリーマンすごろくの終着点は、現在のポジションを起点にボラティリティ(σ)で上下すると仮定すると、リスクの大きさは時間の平方根に比例しますから、20年も待つということは、来年1つ昇進できるかどうかよりも√20=約4.5倍は不確実性が増すというイメージですね。たとえ今ラインに乗っていても、この長期のリスクをどう見るかは思案のしどころではないでしょうか?


結果が命のPE業界も、実力が結果に直結するわけではないのは前回ご紹介した通りですが、少なくとも結果は個人のリターンに直結するので、仕事への取り組み方や感性の面では大きく世界の見え方が変わったと思います。そこで今日は、改めてサラリーマンという生き方について考えてみたいと思います。



サラリーマンとは何か



今になってまず思うのは、金銭的なリターンを高めることを第一に置く場合、とにかく役員を目指すゲームであるということです。新入社員がまず始めに学ぶべきは、電話の取り方ではなく、給与関連規定と有価証券報告書を読み込んで役員になった場合のリターンがどれほどかを把握することだと思います。多くの企業では退職金ポイント制度を採用していると思いますが、だいたいの企業は、最速で役員(=社員ではなくなる)になった場合に、退職金や企業年金が最大になるように設計されているはずです。(例えば50歳が役員昇格の最速年齢であれば、50歳までに退職金ポイントは満額付与され、以降は役員報酬とダブルでエンジョイできるような制度になっている。)


大企業の福利厚生は役員のために最適化されている。これに気づき戦慄することでしょう。役員になるかどうかは、生きるか死ぬかの戦いです。いつかは役員になれればいいな~ぐらいの甘い考えの方は大企業サラリーマンに向いていません。



役員になるために



役員を目指すことの重要性はお分かりになりましたね?では次に、どうすれば役員になれるのかに視点を移します。


答えは簡単。「上に気に入られること」です。全てはこれに尽きます。


間違っても、「売上を上げて会社に認めてもうおう」などと思ってはいけません。これはサラリーマンゲームでは敗者の思考です。養分です。こういう社員が沢山いる会社は良い会社なので、入社を目指す分にはとても良い選択だと思いますが、この人達が報われることは多分ありません。嘘だと思うなら、自社の役員一覧を引っ張ってきて、誰が見ても一流の成果を残して昇進した役員とそれ以外で〇×つけてみて下さい。絶対に×の方が多数派です。


会社に認めてもらうという思考がイケてないのは、真面目に頑張っていればお天道様が見てくれている、に近いユートピア思想だからですね。抽象的なんです。問題解決的思考じゃないんです。“会社”って誰のこと指してんだよ、って話です。もうお分かりですね?By nameで評価を受けるべき人物を特定できてないので、努力のベクトルがズレまくってしまうのです。


大企業というのは、滅多なことでは潰れません。これは「規模」という途轍もない参入障壁があるからで、過去から営々と石垣を積み、堀を深くしてきた賜物です。逆に言うと、同じ規模のビジネスを中の人が限られた社会人人生で築くのは相当にハードルが高いのです。

つまり、大企業サラリーマンが、誰の目から見ても素晴らしい成果が出せる様なことはよっぽどのことでないと考えづらいのです。加えて、一代でそんなビジネスを起こせるような人間が、サラリーマンなんてやる訳がない。この両面からも、大企業で成果を出して偉くなろうという戦略がワークしなさそうなことがお分かりかと思います。



フリーライダーのすゝめ



要するに日本の大企業における役員の大多数は、事業の参入障壁と社員の頑張りにタダ乗りしているフリーライダーなわけです。本来的な意味での役員の仕事は、株主のエージェントとして、株主利益の最大化にコミットする存在です。利益出さなきゃクビになるべきですし、そういう能力のある人が就くべきポジションなのですが、我が国では株主資本主義が根付かなかったため、外資に買収でもされない限りはこの状況は今後も変わらないと思います。


それでも世界第三位の経済大国にのし上がれたのは、現場の社員の頑張りが、制度の欠陥を補って余りあったからだと思います。しかし、本来、一般社員というのは株主のエージェントではないので、会社のため(=ひいては株主の利益のため)に粉骨砕身する義理など無いのです。にも関わらず、持ち前の勤勉さと会社に貢献しなきゃ(使命感)という一種の洗脳で、社畜として過労死寸前まで身を捧げてしまう状況が生まれているのだと思います。


タダ乗りを良しとしない高潔な方を止めはしませんし、むしろ尊敬してやみませんが、それはリターンの薄い自己満足かもしれないということは、シビアな現実として申し添えておきたいところであります。


世の中、起業家には起業家の、サラリーマンにはサラリーマンの、専業主婦には専業主婦の、それぞれにゲームのルールがあり、それぞれに正しい戦い方があると思います。それを理解したうえで、どのゲームで戦うべきかを冷静に判断するのが、個人の幸せの最大化につながると思っております。当ブログがそういう人達の考えるきっかけにつながれば、筆者としては至上の悦びであります。




長くなりましたので総論はここまで。次回は具体的に上に評価されるテクニックと処世術の各論をご紹介できればと思います。そんじゃねー。


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プロフィール

alphalifehacker

Author:alphalifehacker
  
腐ったこの国を買い叩くためハゲタカ阿修羅道に足を踏み入れた、元PEファンドのファンドマネージャー。更にその前は商社マン。

「お金を稼ぐことはいけないことでしょうか?」

いいえ、お金に罪はありません。ありません、が、数々のビジネスを経験してきた筆者のたどり着いた1つ答えは、富裕層と呼ばれるまでの財を成した人は例外なく”ワルい”ことをしているということ。

社会の裏側・お金と人間の悲喜こもごもをこの目で見てきた筆者の体験をもとに、エコノミック不良(ワル)と無辜な庶民はどこが違うのか、実生活に役立つ形に解釈し直し、発信して参ります。

このサイトに来ると少し賢く生きることができるかもしれない、アルファライフハッカーのブログです。

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