記事一覧

PEファンドの正体 (完)



これまで3回()にわたってPEファンドの各階層を解説してきましたが、正直言ってこれまで紹介した人たちの仕事は、刺身のツマみたいなものです。ですので、実は組織戦略としてこの様な階層分けがなされる合理的・理論的な裏付けはなく、別にフラットな組織にしたところで大きな問題は起こらないはずです。この辺は社員が何千人といる大企業とは違うところですね。(せいぜい数十人の組織なので、当然と言えば当然)


筆者は都合、2社ほどファンドを経験したことがあるのですが、その経験から言えることは、スタッフが優秀かどうかは長期的にはあまり重要ではないということです。それは何故か。下が優秀でもパートナー(というか代表)がそうでなければ、優秀なスタッフは辞めるからです。ファンド会社というのはトップの器以上にはなり得ないというのが、この業界の真理であろうと思います。



4.パートナー/マネージングディレクター



日本のファンドでパートナーやMDの職にある人は、ほぼ例外なく創業時(外資系の場合はジャパンオフィス立上げ時)の主要メンバーです。創業後に参画して結果出しまくって就任している人もいるにはいるでしょうが、これはごく少数だと思います。


水は高きから低きへと流れるのが自然の理ですから、ファンドが儲かった際に一番美味しい思いをするのもこのクラスです。しかし、代表者は当然すごい人が多い業界ですが、パートナーと呼ばれる人達が同様に実力者かというとそこは正直疑問で。実力よりも、代表者と一緒にファンド立上げというリスクを取ったことに対する報酬という面が大きく寄与している印象ですね。従って、厳密に言うとパートナーはおかしなのが混入してるケースもあるので注意が必要かと。



さて、質問箱の質問で最も多かったのが、「どんなファンドが良いファンドか」「日本でおススメのPEファンドを教えて欲しい」という類のものでしたが、これに筆者が答えるとすれば、社名というより代表者が誰かに注目すべきである、という答えに尽きるかと思います。


バイアウトファンドの投資スタイルは、投資先に経営のプロを送り込む(内部登用ももちろんあるがファンド側が指名するという意味では同じ文脈)という点が最も大きな特徴です。これの意味するところは、概念的には、ファンドの代表者は、これらのプロ経営者を更に一段上の視点で束ねる、経営のプロ中のプロでなければ務まらないということです。


筆者は個人的に興味関心が高かったこともあって、機会があればファンドトップとは直接話をしたり、関係者からレファレンスを取ったりしてました。イケてるファンドのトップはだいたいメンバーからも投資家からもリスペクトされているのですぐ分かります。細かい点より、メンバーからリスペクトされてるかどうかが重要で、そうでないファンドはその点が如実にコメントに出てきます。


少し含みを持たせましたが、イケてないファンド(=尊敬に値しない代表者)も実際問題、日本には結構あります。そして、そういうファンドに買収された会社は多分不幸になります。傾向としては、銀行系ファンドみたいな社内政治の産物として誕生しているところが多いですが、これはおそらく、成り立ちからいってトップのビジョンや想いでドライブされている組織ではないことが問題なんだと思います。



【番外編】



最後に、良いこと書く分には怒られないと思うので、筆者の知る限りで評判の高いトップをご紹介したいと思います。これから業界を目指す方には何かの参考にして頂ければ幸いですし、中の人からの「それはない」みたいなご意見もお待ちしております。(あくまで筆者の個人的な意見です。以下の情報にソースはありません)



馬上英実氏(日本産業パートナーズ)


興銀出身、大企業のノンコア事業がメインターゲット。1号ファンドの投資利回りは3桁に及んだらしい(ギャグかよ)。メディアは上げて落とすものという信条があるそうで、普段はまずお目にかかる機会がない業界のツチノコ。英語も流暢で、米一流大学の財団等にもファンが多いとか。(米一流大財団の投資審査では、ノーベル経済学賞みたいな教授がトップインタビューしてきます)



堀新太郎氏/杉本勇次氏(ベインキャピタル)


日本の機関投資家からとにかく評判が高い。スタッフはコンサルと事業会社からしか取らない、各社のトップ3%の上澄みしか取らない等、かなり特色ある採用と、独自のバリューアップ理論で、尊敬されるPEファンドのお手本的存在。



清塚徳氏(CLSAキャピタルパートナーズ)


BTMU出身。カーライルを経てCLSAの日本代表に。英語もすごい上手で各種メディアからの評判も高い。マクロベット、ディレクションベットの投資が多い印象で、何より個人的に風水に真面目に取り組むカルチャーがエッジが立ってて好き




★★★


さて、以上4回にわたって自己紹介もかねて、PEについてお送りしていきましたが、次回からは筆者の投資経験の中から見えてきた、ライフハック的なTIPSをご紹介していく取り組みを開始していきたいと思います。それでは、ごきげんよう。

スポンサードリンク

↓Twitterでフォロー↓

プロフィール

alphalifehacker

Author:alphalifehacker
  
腐ったこの国を買い叩くためハゲタカ阿修羅道に足を踏み入れた、元PEファンドのファンドマネージャー。更にその前は商社マン。

「お金を稼ぐことはいけないことでしょうか?」

いいえ、お金に罪はありません。ありません、が、数々のビジネスを経験してきた筆者のたどり着いた1つ答えは、富裕層と呼ばれるまでの財を成した人は例外なく”ワルい”ことをしているということ。

社会の裏側・お金と人間の悲喜こもごもをこの目で見てきた筆者の体験をもとに、エコノミック不良(ワル)と無辜な庶民はどこが違うのか、実生活に役立つ形に解釈し直し、発信して参ります。

このサイトに来ると少し賢く生きることができるかもしれない、アルファライフハッカーのブログです。

Current Tweets

Amazon Link