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営業がつらい?それはあなたがビジネスに向いてないから

多くの学生が敬遠する職種の1つに「営業」というものがあります。企画とかマーケティングとか、現場の喧騒から離れ、エアコンの効いた会議室でコーヒーとMac Book片手に談笑しながらやってそうな仕事に学生の人気は集中する一方、営業と聞くと、駅前で名刺交換させられたり、お年寄りに投資信託買わせたり、とかくブラックなイメージが付きまとうからでしょう、意識高い系への訴求力はイマイチのようです。

 

 

それと共に、何となく誰でもできそうで、頭が悪そうな仕事というイメージができあがっているのも問題なのですが、何故こんなことになっているかと言うと、本来営業が必要とするスキルレベルに達していない人までも大量に営業職に投入されてしまう、というビジネス界の物理法則とでも言うべき、構造的ミスマッチが存在するためだと思います。

 

 

多くの方は誤解されていますが、ハイスペックなプロフェッショナル職の代名詞である投資銀行も、戦略コンサルも、収益の源泉となる決め手は営業です。マクロなレベルでは会社のブランド力(=信用)が収益をもたらす側面はありますが、少なくとも複雑な金融ソリューションや綺麗なパワーポイントに絶対的なバリューがあるから高いフィーが取れるのではありません。顧客の意思決定の最後は、営業として接しているフロントの力量が勝敗を分かつ決定打になるのです。

 

 

まあ、不思議でも何でもないんですが、年収ランキングの上位に並ぶような職業は、投資銀行もコンサルも、商社もM&A仲介も、全て営業のできる人間が一番偉い会社です。昨今人気のデータサイエンティストも、コンサルティングの一種であることを考えれば、(今は違ったとしても)早晩営業力が収益の源泉にシフトしてゆくことは間違いないでしょう。

 

 

 

ITの登場によって、低単価で大量に売れる商材については幾分状況が変わってきているものの、人が何かを売り買いしようとするとき、原則、自分とは別の人間が介在します。これは、法人取引でも個人取引でも変わりません。商いとはどこまで行っても人と人の関係であり、コミュニケーションの産物なのです。

 

 

顧客に何かを買わせる(場合によっては売らせる)には、本来相当な知性と高いコミュニケーション能力が必要ながら、それが可能な人間は、実はごく限られた数しか存在しません。しかしながら、コミュニケーションを経ないと購買につながらないという抜き差しならない現実があるため、スキルの低い営業マンでも無いよりマシとばかりに前線に投入せざるを得ないのが実情なのです。戦場に行きたくない人を無理やり駆り出すと、そりゃあ悲惨なことが起こります。

 

 

そのような戦況において、有能な営業マンは一体どの戦場に配置されるでしょうか?端的に言うと、取扱い額の大きな商材に、より優秀なリソースが配置されるようになります。訓練されてない民兵に最新鋭戦闘機があてがわれることが無いように、スキルレスなソルジャーに億の取引など任されることはありません。

 

 

こうして、営業と一口で言いつつも、その中身はエリート精鋭部隊から竹槍ソルジャー‘sまで、市場原理という神の見えざる手によって階層分化が起こり、数千億円する資源権益を取引する商社マンもいれば、月々数万円のインターネット回線を米つきバッタで売りまわるソルジャーもいるという状況が生まれるのですが、どれも皆、営業のお仕事です。


 

 

高度な営業職に求められる素養

 

 

筆者が商社時代に諸先輩方を見て教わった一番大きな財産は、「営業センス」かなと思っています。商社という職場では、営業センスのない人間というのはどんなに頭脳明晰でも二流の扱いです。

 

営業センスとは、簡単に言うと、お客さんに愛される力ということなのですが、商社の場合はBtoB法人取引が基本です。しかし、法人の意思決定者も突きつめれば個人であり、その人間に気に入ってもらえる力があるかどうか、これが営業にとっては最も重要なことで、トレーディングだろうが投資だろうが、全ての業務のベースにはこれがあります。

 

 

客に気に入られるために決まった方法はありません。トークと笑顔だけで気に入られることもあれば、夜の接待とゴルフで徹底的に尽くしてやっとということもあります。もちろん、優れた提案を持っていくことで、一発で気に入られることもあるでしょう。

 

 

ここで述べたいのは具体的なテクニックの話ではなく、もっと広く客の心をつかむ素養があるかどうかで、それが営業センスという言葉に凝縮されているとご理解下さい。そして、業の種別を問わずハイスペック営業職の付加価値は、このセンスによってもたらされるのだと思います。

 

 

営業センスは雑用から分かる

 


営業センスとは、フワッとした概念なので明確な表現方法がないのですが、逆に営業センスの無い人の話をした方が分かりやすいと思います。

 

商社において、営業センスが無い、つまりお客さんの前に出すのは危険とされる人物は、まずは社内での、次のような立ち居振る舞いから判断されます。

 

 

出張等のロジが雑(旅程表や連絡先書いた紙を用意しない、現地までの道順の事前確認しない、手土産が東京バナナ、etc.
飲み会の幹事をやらすとグダグダ(忘年会シーズンで店が取れない、席次がクソ、参加費の傾斜配分がおかしい、etc.
官僚的で四角四面な物言い(管理部門に多い)
KYな発言、不思議ちゃん等
・・・

 

 

要するに、気遣いが足らず雑用のクオリティがいちいち低いのです。筆者も後に知ることになりましたが、商社に限らず金融でもコンサルでも、営業力の高い優秀なビジネスパーソンはこの種のコマゴマとしたところで実に配慮が行き届いているものです。

 

特に意識高い系の学生に多いのが、言うことは立派だがこの種の配慮がからっきしなタイプで、面白いことに、こういう営業センスのない層ほど、ハイスペ営業職に殺到してくる傾向が強いのは皮肉な現象に思えます。

 

 

 

営業とはインテリジェンスとアートの総合芸術

 

 

細かい配慮が自然と身に付く人は、営業という仕事ではたいてい成功します。配慮とはつまり、相手の立場に立って想像が働く人だからです。営業センスとは、つまるところイマジネーションの広さ、深さ、に起因するものなのでしょう。

 

 

ビジネスの世界では、相手のニーズや意思決定に至るメカニズムが明確に分かっていることは稀で、客が何を欲しているか、何がそれに影響を与えているのか、そういったことを限られた情報から想像し、判断していく作業が必要になります。これは、おそらくCIAのようなインテリジェンスの仕事と同様のプロセスだろうと思います。

 

 

そして、ビジネスで重要な情報は人を介してしか得られません。

ハイスペ営業職というのは、分析機能と同時に、人と会い、人に気に入られ、隠された情報を引き出すため、様々な仮面を使い分ける役者としての才能も求められます。雰囲気、言葉遣い、駆け引きのセリフ、その全てが営業力を形作ります。

 

 

これは正に、インテリジェンスとアートの総合芸術であり、筆者は、営業こそがこの世で最も尊敬されるべき仕事の1つであろうと考えています。

 

 

★★★

 

 

某有名戦略コンサルのパートナーの方から伺った話ですが、数億円規模の受注が見込める太客を落とすときは、まずは対象会社の市場環境や中期計画などではなく、意思決定ラインの人間模様を徹底的に分析するそうです。そして、溢れる知性と役者としての演技力でキーパーソンを啓蒙(洗脳?)し、「〇〇さんの言うことはぜったーい」状態にしてしまうと、あとはもう流れ作業なんだそうです。

 

 

元々優秀なコンサルタントにこういう戦い方をされると、普通の人では太刀打ちできません。

ハイスペ営業おそるべし。

...ということで、皆さんも今日から「営業」目指してみませんか?

そんじゃねー。

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プロフィール

alphalifehacker

Author:alphalifehacker
  
腐ったこの国を買い叩くためハゲタカ阿修羅道に足を踏み入れた、元PEファンドのファンドマネージャー。更にその前は商社マン。

「お金を稼ぐことはいけないことでしょうか?」

いいえ、お金に罪はありません。ありません、が、数々のビジネスを経験してきた筆者のたどり着いた1つ答えは、富裕層と呼ばれるまでの財を成した人は例外なく”ワルい”ことをしているということ。

社会の裏側・お金と人間の悲喜こもごもをこの目で見てきた筆者の体験をもとに、エコノミック不良(ワル)と無辜な庶民はどこが違うのか、実生活に役立つ形に解釈し直し、発信して参ります。

このサイトに来ると少し賢く生きることができるかもしれない、アルファライフハッカーのブログです。

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