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サラリーマンでも出来る(?)PE投資 ~まつ毛エクステ編~

最近、繁華街にいる若い子たちの目元がやけにゴージャスだと思いませんか?
実はコレ「まつ毛エクステンション」という化学繊維等の人工まつ毛を自身のまつ毛に装着する技術によるものなのです。目がおっきく見えて、可愛いですね?

ビフォー・アフター 


美容業界の知人からまつエクサロンが流行っていると聞いたので、どれぐらいの市場なのか調べてみたところ、サラリーマンPE投資の候補業界として非常に有望に思えたので、プロの視点からこの業界の持つ魅力について検証してみたいと思います。



さて、これは別にサラリーマンに限ったことではないのですが、バイアウト投資を行ううえで重要なポイントは、以下の3点だと考えています。

①キャッシュフローの安定性
②利益の成長性
③リポジショニング(マルチプルアビトラージ)


これはバイアウト投資の鉄則です。普通の上場株投資であれば、株価が上がるか下がるか、つまり投資からのリターンは、業績やIRイベントという“材料”の動向で決まるのですが、非公開株に対するバイアウト投資では、上場株とはかなり趣きの異なった評価の目が必要です。

この差が発生する最も大きな原因は、レバレッジ(借入れ)の活用と流動性(株の出口)が乏しいという、投資条件の違いに起因するのですが、これについてはまた別の機会に解説することにしましょう。



筆者ならこう見る、まつ毛エクステ業界


さて、まつエク業界は鉄則の3点について、いずれも優~良ぐらいのスコアを与えられそうだと感じているのですが、その内訳は以下の通りです。なお、突っ込んで分析してるわけではないので、興味があればご自身で検証されることをオススメします。


1. キャッシュフロー安定性


キャッシュフローの安定性という観点では、まつ毛エクステサロンは非常に優れたビジネスモデルだと考えられます。

まず、市場の伸びが凄いのです。ここ10年ぐらいでゼロから1,500億円ぐらいの市場規模にまで成長しており、かつ、客層が20代以下に偏っています。そして、その20代でも普及率は20%程度で、まだまだ普及拡大の余地は大きいとみられます。面白いのが、20代男性への普及率も女性の半分ぐらいあることで、女性しかやらないネイルサロン等とは違い、男性の需要も取り込めているようです。(まつエクしてる男はちょっとキモくないか・・・)

出所:中小機構J-net21 

次に、まつ毛は1カ月程度で生え変わっていくため、1回まつエクを始めると、だいたい3~4週間に一度再訪しなければならず、非常に優秀なリカーリングビジネスとなっている点です。人間、濃い目の味付けに慣れると薄味に戻りづらいのと同様、濃い目のまつ毛にすると、地味目に戻るのは抵抗が大きいのではと推察されます。

つまり、まつエクは一度始めるとなかなか止められず、客を掴めば長期に安定した売り上げが見込める素晴らしいビジネスなのです。

さらに、ネイルや美容院と違って、設備投資や資材がほとんど不要で、技術者の体1つで可能な点も魅力です。施術料はネイルやカットと同じぐらいの1回5,000円程度の相場ですが、まつエクの場合は収益性が段違いではないかと思います。



2. 利益の成長性


次に、利益の成長余地ですが、マクロの需要が強くかつ若年層に普及していることから、今後も人口減少の影響を受けにくい典型的な多店舗展開が効くモデルなので、スムーズに新規出店ができれば、リニアに収益を伸ばして行けそうです。

<参考:若年層とシニア層で普及率の違う商材の魅力>

新規出店に当たっては、店舗スペースも極小で良く、机と椅子さえあれば良いので、マンションの1室でも対応可能なため、技術者さえ確保することができれば、リテール店舗運営経験が乏しくてもビジネスをスケールさせる難易度はかなり低いでしょう。

出店ハードルが低いということは、裏を返せば従業員が独立しやすいということでもあるので、何店舗か直営で出した後は、フランチャイズ機能に特化していき、仕入れ・決済・予約管理・広告宣伝などの管理系のインフラを投資家サイドで握ることで、技術者には施術を行うことに特化させて離反させない仕組みを作り上げることが大事な気がします。

一般的に美容業界のスタッフ層は職人系の集団なので、そういうビジネスマインドを持って独立みたいな意欲には欠ける傾向があるのではないかと感じており、煩雑な管理系の仕事を本部がやってくれるなら、満足して働いて頂ける人達が多い印象です。

この程度の管理機能であれば、大企業のサラリーマンスペックがあれば、十分にこなせる範囲の業務だと思いますので、あとは技術者をどう確保するか、そこがポイントでしょうね。



3. リポジショニング(マルチプルアビトラージ)


リポジショニングとは、投資先をExitする際に、会社の“見栄え”をよくすることで、より買い手の魅力を高めてプレミアムを狙うという概念のことを指しているのですが、まつエクチェーンを構築できれば、この点でもExitストーリーが描きやすいのではと感じています。

例えば、美容業界は全体的に供給過多となっており、廃業を検討している美容院の経営権などをタダ同然で取得できるチャンスは大きそうですが、これをまつエクチェーンに変貌させることができれば、おそらくそれだけで随分と買い手がつきやすくなると思います。

また、マンションの1室で1人でやっているような、会社とは呼べないような事業であっても、それを10個集めて本部のFC機能で会社組織の体を整えれば、パパママストアの時よりも買い手にとっては大分魅力になることでしょう。

そして、美容院やネイル、エステ系の既存大手プレーヤーはこれらの領域が頭打ちになっているため、新たな収益減を探しているはずです。その中には、ある程度まとまった数の店舗を持つまつエクチェーンがあれば、プレミアムを払ってくる可能性は高いと考えています。



★★★

他にも探せばこういう業界はあると思いますが、まつエクに関しては、ここまで成長が期待できるうえに手頃に投資できる業界はそうはないのではという印象を受けました。良い経営者になるには、ちゃんと技術もわかってないといけないので、ものは試し、まずは自分でもまつエクできるようになってみよう。



CLSAやJ-Starが最近、美容院チェーンやまつエク系コスメの会社などに投資を行っている背景には、上記のような投資ストーリーが頭にあるのかもしれませんね。

サービス業はサラリーマンでも投資できそうな有望な分野。今度美容院に行くときは、単なる客としてではなくて、店ごと買ってみようという意識でチェックしてみたら面白いかも。
そんじゃねー







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プロフィール

alphalifehacker

Author:alphalifehacker
  
腐ったこの国を買い叩くためハゲタカ阿修羅道に足を踏み入れた、元PEファンドのファンドマネージャー。更にその前は商社マン。

「お金を稼ぐことはいけないことでしょうか?」

いいえ、お金に罪はありません。ありません、が、数々のビジネスを経験してきた筆者のたどり着いた1つ答えは、富裕層と呼ばれるまでの財を成した人は例外なく”ワルい”ことをしているということ。

社会の裏側・お金と人間の悲喜こもごもをこの目で見てきた筆者の体験をもとに、エコノミック不良(ワル)と無辜な庶民はどこが違うのか、実生活に役立つ形に解釈し直し、発信して参ります。

このサイトに来ると少し賢く生きることができるかもしれない、アルファライフハッカーのブログです。

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