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完全保存版 サラリーマンのための税金対策(前編)

皆さんは給与明細の各項目が、どのように計算されているか正確に把握していますか?額面年収は異様に注目される反面、その後に発生する税金・社会保険料についてキチンと説明できる人ってそんなに多くない気がします。


税金・社会保険料控除後で考えると、年収1,000万円の手取りは750万円、年収500万円の手取りは400万円ぐらいです(2018年現在)。額面で見ると500万の差は大きく感じますが、手取りで見るとその差は350万円まで縮まります。


年収1,000万円ぐらいだと、ALL-INで25%ぐらいの実効税率ですが、年収2,000万円で35%、年収1億円で50%弱まで跳ね上がります。年収が上がれば上がるほど、広義の税負担を1円減らすことは、年収を1.2~1.5円増やすのと同様の効果が得られるようになります。


多くの人は転職の際、額面の年収にのみ注目しているんじゃないかと思いますが、税負担まで考慮すると大して手取りはアップしていない(むしろマイナス!)ということも実は多いのではないかと思っています。今回は前編と後編に分けて、給与所得者でも出来る税金対策について、色々と考察してみたいと思います。



まず税金の構造を理解する


前編の本エントリーでは、税金の構造を理解することから始めましょう。お手元に給与明細をご用意下さい。ガッツリ引かれている大きな塊は次の4点ではないでしょうか?


①所得税

②住民税

③厚生年金

④健康保険


とりあえず、この4点の構造を押さえておけば税対策の準備はOKですが、いずれも計算ロジックが異なるのが、税分野の特徴です。基本的に税金とは、課税対象(かける数)×税率(かけられる数)で決まるので、課税対象額を減らすか、対象税率を下げるか、のどちらかを目指すことになります。(これがなかなか一筋縄では行きませんが)


細かい計算方法まで解説すると紙面が足りないことと、頭にも残りにくいと思うので、各項目でまずは対策が取れるとすればどこなのか、ポイントを絞って税金対策の方向性を解説したいと思います。(もっと深く知りたい人は国税庁のHPへGO)



①所得税


所得税は最も計算が複雑ですが、実は普通のサラリーマンはイメージしているよりは負担していません。それは、各種控除が充実していることと、累進税率が採用されるためで、年収1,000万円だと所得税のみの負担率は実は7%前後です。


累進税率とは、課税標準をいくつかのレベルに分け、年収195万円を超えた部分は10%、330万円を超えた部分は20%、695万円を超えた部分は23%...、といった具合に、次々と税率を変えていく方式のことで、青天井になる1,800万円超の40%にヒットしなければ、実は割合マイルドな税率になっています。


所得税の計算式:

A額面年収-(B基礎控除+C社会保険料+Dその他控除)〕×E税率(可変)


このうち、B・C・Eは基本的には所与なので、対策のしようがありません。能動的に対応ができるのはA「額面年収」とD「その他控除」です。所得税に関しては、A「額面年収」はE「税率」の変数にもなっているので、ここを下げると課税対象が減るだけでなく、税率まで下がるという二重構造になっています。



②住民税


住民税は所得税と非常によく似た課税方法を取りますが、決定的な違いは、E税率が10%で固定されている点です。累進性がないので、年収が高かろうが低かろうが10%の税率は変わりません。そのため、年収1,000万円で6%程度の負担率となり、限界税率は所得税の方が高い(20%)ものの、実負担については年収1,000万円が丁度同じぐらいになる瞬間です。


住民税の計算式:

A額面年収-(B基礎控除+C社会保険料+Dその他控除)〕×E税率(10%)


なお、他の税金が本年度の年収に対して同じ期で負担させられるのに対し、住民税だけは前年度の年収に対する負担なので、“期ずれ”が発生します。大減俸を食らったプロ野球選手に“税金払えない問題”が発生するのは、昨年の高年俸に対してかけられた税金が、大減俸を食らった年に支払いタイミングを迎えるからです。



③厚生年金


意外と知らない見えない税負担。それが厚生年金です。実は、年収1,000万円の場合、所得税とほぼ変わらない負担率(7%弱)になっています。但し、これは個人負担分に限った話で、多くの企業は会社が折半負担しています。つまり、総負担額は実はこの倍、所得税と住民税を合わせた額とほぼ同等の税負担が発生しているのです。


更に問題なのが、所得税や住民税、消費税の類は税法の改正になるため、引き上げするとなると国会で大騒ぎになるにも関わらず、厚生年金はシレっと上げてきます。マスコミが何故か騒がないので、大した議論もされず、この悪魔的な重税は今後も簡単に引き上げられていくでしょう。


厚生年金の計算式:

Min〔A額面年収 × E税率(18.3%),  約136万円〕※但し会社と折半


随分とシンプルな式になりました。そうです。所得税にあった控除や累進性が厚生年金にはないのです。稼いだ分に丸々、残酷な税負担がやってきます。唯一良心的なのは、キャップがついていることで、年収約750万円を超えるとそれ以上は上がりません。逆に言うと、年収が低くても容赦なく課税されるので、年収500万円ぐらいだと、圧倒的No.1の税項目となります。


厚生年金と次の健康保険は、それ自体が所得税・住民税の控除対象(C)となるため、両税の実効税率相当のタックスシールドが発生し、厚生年金だけの実効税率は15~25%引きになるのですが、それでもかなりの重税であることには違いがありません。


こちらに取れる対策としては、A「額面年収」を下げる以外に打ち手がありませんが、年収750万円以上になるとそれも無意味となり、対策が意外と難しいのも事実です。



④健康保険


健康保険も厚生年金と似たような計算方法に従いますが、税率(9.9%)とキャップの金額が異なります。40歳を超えると介護保険料が追加になり、税率が1.57%アップします。


健康保険の計算式:

Min〔A額面年収 × E税率(最高9.9%~11.47%),  約165~190万円〕※但し会社と折半


健康保険の場合は、キャップの上限が引き上げられており、年収1,700万円程度でやっと上限に達します。


健康保険料も会社が折半することが多いのですが、健保は厚生年金と違い、大企業であれば健保組合が企業グループ単位で存在し、会社でかなりの部分を負担してくれることがあります(福利厚生の一環)。また、組合によってそもそもの保険料設定が違うことも見逃せません。


ざっくり言うと、保険請求する組合員が少なく、組合員の年収が高いほど、保険組合は収入が多く支出が少ない状態になり、高い保険料を組合員に求める必要がなくなります。従い、年収が高くホワイトカラー中心の業種であれば、保険組合の運営健全性は高い傾向にあり、金融機関やIT系などの組合などであれば、個人負担率は1%台というようなこともあり得ます


逆に、外資系企業やコンサルティングファームのような(日本においては)小体の事業者は、企業別組合を持たず、それらに入れない人のための受け皿組合である「協会けんぽ」に所属せざるを得ず、結果、最高税率を負担して割り勘負けしてしまうという現象が発生します。


こちらも、A「額面年収」を下げるのが基本線ですが、財務的に優れた健保組合に所属している企業を選ぶことで、能動的に保険料率を下げに行く余地はあり得ます。



★★★


整理すると、年収1,000万円の実効税率は約25%ですが、その内訳は、所得税7%、住民税6%、厚生年金7%、健康保険5%、といった塩梅です。意外なことに、所得税・住民税だけなら大したことはなく、社会保険料でほぼ同額取られていることに驚くかもしれません。


そして、大きな方向性として、税控除は、所得税・住民税にしか効かず、年収の額面をいかに下げるかが最も重要な論点であろうと気づくと思います。ここまでで、大まか構造と対策の方針がご理解頂けましたね?それでは、次回は主体的に税金を下げるためにどういう手段があり得るか、より実践的なテクニックをご紹介できればと思います。


では、続きは有料メルマガで

ウソです。そんじゃねー。


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プロフィール

alphalifehacker

Author:alphalifehacker
  
腐ったこの国を買い叩くためハゲタカ阿修羅道に足を踏み入れた、元PEファンドのファンドマネージャー。更にその前は商社マン。

「お金を稼ぐことはいけないことでしょうか?」

いいえ、お金に罪はありません。ありません、が、数々のビジネスを経験してきた筆者のたどり着いた1つ答えは、富裕層と呼ばれるまでの財を成した人は例外なく”ワルい”ことをしているということ。

社会の裏側・お金と人間の悲喜こもごもをこの目で見てきた筆者の体験をもとに、エコノミック不良(ワル)と無辜な庶民はどこが違うのか、実生活に役立つ形に解釈し直し、発信して参ります。

このサイトに来ると少し賢く生きることができるかもしれない、アルファライフハッカーのブログです。

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